宮古島に移り住んで働くとき、引っ越しや渡航の費用を支えてくれる制度はあるのか。移住支援金をはじめ、仕事探しの交通費の補助、雇用保険の「移転費」、仕事の種類ごとの支援、奨学金の返還支援まで、2026年度の時点で確かめられたことをまとめます。
この記事のポイント
- 沖縄県の移住支援金(単身60万円、世帯100万円)は、2026年度は宮古島市が対象に入っていません
- 県外から仕事を探しに来る交通費・宿泊費・引っ越し費用は、県の「ちゅらっとターン交通費補助金」で半分(1回5万円まで)が補助されます
- 雇用保険を受けられる人が、ハローワークなどの紹介で就職して引っ越すときは「移転費」が出ることがあります
- 遠くの会社へ面接に行く交通費や宿泊費は「広域求職活動費」の対象になることがあります
- 介護の仕事では、会社が県の補助を使い、赴任の旅費などを負担できる制度があります
- 奨学金を返している人は、会社の代理返還を県と宮古島市が補助する制度があります
沖縄県の移住支援金は、2026年度は宮古島市が対象外です
「移住 支援金」で調べると、まず出てくるのがこの制度です。東京23区から沖縄県内の対象の市町村に移り住み、就業などの要件を満たした人に支給されます。
| 項目 | 内容(令和8年度) |
|---|---|
| 支給額 | 2人以上の世帯100万円、単身60万円。18歳未満の子ども1人につき最大100万円を加算 |
| 主な対象 | 移住の直前10年間に東京23区に通算5年以上住んでいた人など |
| 実施市町村 | 石垣市、国頭村、東村、本部町、伊江村(令和8年4月1日時点) |
| 宮古島市 | 対象外 |
実施する市町村は年度ごとに決まります。予算の範囲で行う事業のため、年度の途中で終わることもあります。宮古島市への移住を考えているなら、この制度はあてにせず、移り住む年に沖縄県の案内で改めて確かめるのが確実です。
ハローワークの紹介で就職して引っ越すなら「移転費」
あまり知られていませんが、雇用保険には、遠くへ就職する人のための給付があります。そのひとつが「移転費」です。雇用保険の受給資格者が、ハローワーク、特定地方公共団体、職業紹介事業者の紹介で就職するために住所を変えるとき、ハローワークの所長が必要と認めれば支給されます。
主な条件は次のとおりです。
- 雇用保険の受給資格者で、待期期間が過ぎたあとに就職が決まったこと
- ハローワークなどの紹介で就職すること。雇用期間が1年未満の仕事などは対象外です
- 通勤に往復4時間以上かかるなど、ハローワークが住所の変更を必要と認めること
- 就職先などから引っ越しの費用が出ない、または移転費の額に満たないこと
支給されるのは、本人と、一緒に移る家族の鉄道賃・船賃・航空賃・車賃、距離に応じた移転料、そして着後手当です。
| 着後手当 | 金額 | 旧住所から100km以上の場合 |
|---|---|---|
| 家族と一緒に移る場合 | 76,000円 | 95,000円 |
| ひとりで移る場合 | 38,000円 | 47,500円 |
申請は、移転した日の翌日から1か月以内に、移転先の住所を受け持つハローワークで行います。宮古島に移るなら、ハローワーク宮古が窓口です。紹介を受けて就職することが条件なので、応募の前に、いまの住所のハローワークで相談しておくのが近道です。
面接に行く旅費は「広域求職活動費」
島の会社に面接へ行くとき、飛行機代は大きな負担です。雇用保険の受給資格者が、ハローワークの紹介で遠くの会社を訪ねて面接などを受けたときは、「広域求職活動費」が支給されることがあります。
- 受給手続きをしているハローワークから、訪ねる会社を受け持つハローワークまでの距離が、往復200km以上あること
- 紹介された求人が、管轄の外にある事業所の常用の求人であること
- 面接先の会社から旅費が出ない、または広域求職活動費の額に満たないこと
支給されるのは、通常の経路で計算した鉄道賃・船賃・航空賃・車賃と、距離が400km以上ある場合の宿泊料です。活動を終えた翌日から10日以内に、受給手続きをしているハローワークに申請します。2026年8月1日からは、受け取れる回数に、所定給付日数に応じた上限(90日以下なら3回など)が設けられました。
県外から仕事を探しに来る費用は「ちゅらっとターン交通費補助金」
雇用保険を受けていない人も使える制度があります。沖縄県は、県外に住む人の県内就職を進めるため、県内での就職・転職活動にかかる交通費や宿泊費、引っ越し費用の一部を補助しています。宮古島での就職活動にも使えます。
| 項目 | 内容(令和8年度) |
|---|---|
| 対象 | 2026年4月1日時点で44歳以下の、沖縄県外に住む人。県内の企業などに正社員・有期労働契約社員として就職を希望する人(公務員などは対象外) |
| 補助の対象 | 飛行機、電車、バス、レンタカー、ホテルなどの料金、引っ越しの運送費用 |
| 補助額 | 費用の2分の1以内。1回5万円まで、年度に3回まで |
| 申し込み | 沖縄県の移住・就職の情報サイト「りっか沖縄」に会員登録したうえで申請 |
申請は、活動を終えた月の翌月10日までです。予算に達すると受付が終わります。国や市町村から同じ費用の補助を受ける場合は対象になりません。
介護の仕事なら、会社が赴任の費用を負担しやすくなる制度があります
働く人が直接申し込む制度ではありませんが、知っておくと役に立つのが、沖縄県の「島しょ地域介護人材確保対策事業」です。離島などで介護サービスを営む法人が、島の外から介護の人材を受け入れるときにかかった費用を、県が補助します。宮古島市は、対象の地域に入っています。
| 項目 | 内容(令和8年度) |
|---|---|
| 補助の上限 | 受け入れた職員1人あたり、無期雇用は20万円、有期雇用は10万円 |
| 対象になる費用 | 赴任または事前の下見のどちらか1回分の片道の旅費、住まいを借りるときの初期費用(礼金・保険料)など |
| 対象外の費用 | 家賃 |
| 資格のない人 | 受け入れ後、令和9年3月31日までに介護職員初任者研修を修了すれば対象 |
補助を受けるのは会社なので、使うかどうかは会社が決めます。島の介護の仕事に応募するなら、「赴任の旅費や住まいの初期費用を負担してもらえるか」を聞いてみる価値があります。
保育士なら、移住費用の支援がないか市町村に確かめる
沖縄県には、県外に住む保育士が県内の認可保育所などに就職するときの移住費用(渡航費や引っ越し費用など)を支援する「県外保育士誘致支援事業」があります。令和7年度の案内では、単身世帯で20万円、2人以上の世帯で40万円でした。
ただし、実施するのは各市町村で、行うかどうかや内容は市町村によって違います。令和8年度に宮古島市で使えるかどうかは、今回の調べでは確かめられませんでした。宮古島の保育所で働くことを考えているなら、宮古島市の保育の担当窓口に問い合わせてください。
奨学金を返している人は、会社の代理返還を県と市が補助します
移住の費用ではありませんが、働き始めてからの負担を軽くする制度もあります。沖縄県の「奨学金代理返還支援事業」は、従業員の奨学金を会社が直接返す「代理返還」に取り組む県内の中小企業に、費用の一部を補助する制度です。宮古島市は、この県の補助を受けた市内の中小企業に、さらに上乗せで補助しています。
| 項目 | 内容(令和8年度) |
|---|---|
| 対象になる従業員 | 正社員(雇用期間の定めがない)で、奨学金を本人が返済中または返済予定。申請年度末で35歳未満 |
| 対象になる奨学金 | 日本学生支援機構の奨学金、大学や各種団体の学資金など |
| 県の補助 | 従業員の年間返還額の半分を基礎に、会社の支援額の最大50%。1人あたり年間9万円まで(県の認証を受けた会社は上限が上がります) |
| 宮古島市の補助 | 県の交付決定を受けた市内の中小企業に、市が上乗せで補助 |
これも、使うかどうかは会社が決めます。就業規則などに奨学金の返還支援を定めている会社が対象なので、奨学金を返している人は、応募先に制度があるかを聞いてみてください。
会社が用意している手当や住まいもあります
公的な制度とは別に、島の会社が独自に用意しているものもあります。島しごと図鑑で取材した会社には、次のような例がありました。
- 島の外から移り住んで働く人だけに付く手当(すでに島に住んでいる人は対象外)
- 家具・家電付きの寮。身ひとつで来て働き始められるところもあります
- 入居時に会社が用意する単身用の住まい。3〜4か月で自分の家を見つけて移る流れです
- 住宅手当(月1万円の例があります)
- 住む場所と、資格を取るための費用を、1年の仕組みに含めている会社
宮古島は家賃が高く、住まいが決まるまでの費用がいちばんかさみます。住まいのことは宮古島の家賃と生活費は、どれくらいかにまとめています。
支援金をあてにする前に、確かめておきたいこと
- 制度は年度ごとに変わる/移住支援金のように、年度によって対象の市町村が変わる制度があります。移り住む年の案内を確かめます
- 雇用保険の給付は「紹介」が条件/移転費も広域求職活動費も、ハローワークなどの紹介を受けることが前提です。応募の前に相談します
- 面接の旅費/県外から面接に来るなら、「りっか沖縄」に登録して、ちゅらっとターン交通費補助金を使えるか確かめます
- 会社が使う制度は、会社に聞く/介護の受け入れ補助や奨学金の代理返還は、会社が申請するものです。面接で聞いて構いません
- 会社独自の手当は求人票に出ないことも/移住者向けの手当や寮は、直接聞くのがいちばん確実です
よくある質問
Q. 宮古島に移住すると、移住支援金はもらえますか?
2026年度の沖縄県の移住支援金は、宮古島市が対象に入っていません(2026年4月1日時点)。実施する市町村は年度ごとに決まるので、移り住む年に沖縄県の案内で確かめてください。
Q. 引っ越し費用を補助してもらえる制度はありますか?
雇用保険の受給資格者が、ハローワークなどの紹介で就職するために引っ越す場合、「移転費」として交通費、移転料、着後手当が支給されることがあります。介護の仕事では、会社が県の補助を使って赴任の旅費などを負担できる制度もあります。
Q. 面接のための飛行機代は出ますか?
雇用保険の受給資格者が、ハローワークの紹介で遠くの会社の面接を受ける場合、「広域求職活動費」として交通費が、距離が400km以上なら宿泊料も支給されることがあります。面接先の会社から十分な旅費が出る場合は、対象になりません。44歳以下で県外に住んでいる人は、沖縄県の「ちゅらっとターン交通費補助金」で、交通費・宿泊費の2分の1(1回5万円まで)が補助されることもあります。
Q. 宮古島市に、独自の移住支援金はありますか?
今回の調べでは、宮古島市が独自に行う移住者向けの支援金は確かめられませんでした。奨学金の代理返還に取り組む市内の中小企業への補助はあります。最新の情報は、宮古島市に問い合わせてください。
Q. 保育士として宮古島で働く場合、支援はありますか?
沖縄県の「県外保育士誘致支援事業」は、市町村が実施主体で、令和7年度は単身20万円、世帯40万円でした。令和8年度に宮古島市で使えるかは、宮古島市の保育の担当窓口で確かめてください。
あわせて読みたい
- 宮古島で働く前に、知っておきたいこと
- 宮古島に移り住む人は、どれくらいいるのか
- 宮古島で、医療・介護・保育の仕事に就くには
- 宮古島の家賃と生活費は、どれくらいか
- 宮古島に移住して働き始めた人が、最初の3か月でつまずくこと
- 宮古島で仕事を探すなら、どこを見ればいいか
- 宮古島に戻って働くということ
出典
- 沖縄県「移住支援金」のページ(2026年4月30日更新)。令和8年度の実施市町村は令和8年4月1日時点
- 厚生労働省・都道府県労働局・ハローワーク「「広域求職活動費」と「移転費」のご案内」
- 沖縄県「ちゅらっとターン交通費補助金」のページ(2026年8月24日更新)
- 沖縄県「令和8年度島しょ地域介護人材確保対策補助金」のページ(2026年6月11日更新)、同事業の補助金実施要綱(別表1に宮古島市)とQ&A
- 沖縄県「県外保育士誘致支援事業」のページ(2025年6月24日更新、令和7年度の内容)
- 沖縄県 商工労働部 雇用政策課「奨学金代理返還支援事業について」(令和8年度)
- 宮古島市「宮古島市奨学金返還支援事業補助金」のページ
- 島しごと図鑑の取材記事(手当・寮・住まいの例)
島しごと図鑑


