きっかけ
「資格を取っておけば、どこかで使えるかな」

この仕事に入ったきっかけを聞くと、強い志望の話は出てきませんでした。高校を卒業して先に取ったのは資格です。何かの役に立つだろう、という程度の気持ちでした。
「取っておけば、どこかで使えるかなという判断で」
そこから、約30年この仕事を続けてきました。宮古島に住むことになったときも、別の業種へ移ることは考えなかったそうです。資格から始まって、気づけば年数が積み上がっていました。
やりがいと大変なこと
事故車が、事故前の形に正確に戻ったとき

板金・塗装は、壊れた車をもとの形に戻す仕事です。半田さんが手ごたえを感じるのは、その戻り方が正確だったときでした。きれいに見えればいい、ではありません。ぶつける前の形に戻っているかどうか、その一点です。
一方で、時間のかかる車もあります。損傷が大きいものは、日数も作業時間もかかります。そして、どうしても直せない車もあります。
「それゃもう、車直せないよっていうのもありますから」
そのときは、お客さんに納得してもらったうえで、買い替えになることもあります。ただ、最初からそちらをすすめるわけではありません。極力は直す、というのが半田さんのやり方です。
宮古島は車がないと生活できない島なので、車は欠かせません。そのぶん事故も多く、修理の依頼が絶えません。仕事が常にあるので、経験を積む機会も自然と増えます。
15年前は、道具がそろわなかった
「今は割と道具がそろうようになりました。昔はそれが一番大変でしたね」
15年前に内地から宮古島へ来たころ、一番大変だったのは「物がない」ことでした。仕事に必要な道具がすぐに手に入らず、なんとか自分たちで作って乗り切っていたそうです。
道具1個買うのにも、渋い顔をされない
道具に苦労した半田さんだからこそ、今の職場のありがたさが分かります。ガレージUでは、会社に必要な物やアイデアについて、社長がなんでも受け入れてくれるそうです。
「道具1個買うのにも渋い顔をされたんじゃ、次の仕事につながらない部分もあるし」
板金や整備の道具は、あるかないかで作業の速さも仕上がりも変わります。必要なものを揃えてもらえるかどうかは、職人にとっての働きやすさそのものです。ここでは、そんな時に渋い顔をされません。

おなかがすくころに、社長から差し入れが届く
取材をしていて伝わってきたのは、社長と半田さんの仲の良さです。社長はとても優しい方で、仕事の最中にケンタッキーのチキンや、マクドナルドのハンバーガーが回ってきます。しかも、ちょうどおなかがすいてきた絶妙なタイミングで届くのだそうです。「なんで分かるんだろう」と、思わず笑ってしまうとのこと。
また、社員旅行も毎年あります。これまでの行き先は、大阪・神戸・静岡・名古屋など。
毎年みんなで出かけられるのは、いい会社だと思う、と半田さんは話します。
職場の雰囲気を聞くと、こう答えてくれました。
「あまり皆さん怒らないです」
みんな優しい職場だそうです。ただし、半田さんだけは別。
「僕以外(笑)。僕は昭和の人間なので、少し厳しいかもしれません」

人手不足の島で、外国人スタッフと働く
自動車整備の人手不足は、宮古島全体の課題です。ガレージUも例外ではなく、社長が外国人スタッフを雇い、3年目になります。
実際に一緒に働いてみて、言葉の壁はあまり感じないそうです。ジェスチャーや片言の英語でも、ちゃんと伝わっています。

一緒に働きたいのは、自分と真逆の人
自動車整備の人手不足は、宮古島でも同じです。G.Uでも足りていません。半田さんが来てほしいと話すのは、まず技術や知識を持っている人。入ってすぐに戦力になるからです。
整備や板金の資格を持っていて、島で働く場所を探している人。あるいは、島に戻ってきて車の仕事を続けたい人。そんな経験者は、ぜひ一度工場をのぞいてみてください。
ただ、整備業界はどこも技術者が足りず、人材そのものが不足しています。だから、経験のない人も大歓迎です。車が好き、手に職をつけたい、島で長く働ける仕事がほしい。そんな気持ちがあれば、スタートは未経験でも大丈夫です。
そのうえで、一緒に働くなら、たくさん質問してくれる人がいい、と半田さんは話します。
半田さん自身は、こだわりが強く、納得のいかない仕事は何度でもやり直す性格です。だからこそ、来てほしいのは自分と真逆の人だといいます。
「僕の固まった考えではなく、僕と反対の考えを持った人から、新しい考え方を知りたいんです」
資格から始めて約30年。それでも、まだ新しい考え方を知りたいという半田さん。
優しい社長と仲間が、待っています。工場を見て、人を見て、それから決めればいい。そんな構えの会社です。
島しごと図鑑






