宮古島で、農業の仕事に就けるのか。宮古島は、働く人の数でいちばん多い仕事が農業の島です。一方で、担い手の高齢化も進んでいます。どんな農業があり、どれくらいの人が働き、未経験からどう始められるのかを、公表されている統計と支援制度からまとめます。
この記事のポイント
- 宮古島市で農業に就いている人は3,529人。市でいちばん多い仕事です(2020年国勢調査)
- 平均年齢は64.1歳で、65歳以上が半数を超えます
- さとうきびのほか、マンゴー、ゴーヤーなどの野菜、葉たばこ、肉用牛の繁殖が盛んです
- 宮古島市には就農相談員がいて、就農の前から就農後まで相談できます
- 49歳以下なら、研修中と就農直後に年最大165万円の資金を受け取れる制度があります
宮古島の農業は、さとうきびと果樹、野菜、肉用牛
宮古地域は温暖な気候と平らな台地に恵まれ、土地に占める耕地の割合は51.4%と高い地域です。中心はさとうきびで、近年は本土で野菜が少ない冬から春に出荷するゴーヤーやかぼちゃ、マンゴーをはじめとする熱帯果樹の生産も増えています。
| 品目 | 宮古地区の規模 |
|---|---|
| さとうきび | 生産量310,264トン、栽培農家4,854戸(令和5/6年期) |
| 野菜(JAおきなわ宮古地区本部扱い) | 販売1,685.1トン、出荷額約7.6億円(令和5年度)。金額の多い順にゴーヤー、オクラ、とうがん |
| 葉たばこ | 栽培農家73戸、収穫量447トン、生産額約8.2億円(令和5年産) |
| マンゴーなどの果樹 | マンゴーを中心に、栽培面積75ha、生産量817トン(令和3年) |
| 肉用牛 | 飼養戸数611戸、飼養頭数12,113頭(令和5年) |
自然の条件は厳しい面もあります。毎年のように来る台風や干ばつ、川がないために水を確保しにくいこと、島尻マージと呼ばれる保水力の乏しい土壌などです。地下ダムの水を使った農業の取り組みは、こうした条件を補うために進められてきました。
宮古島市で農業に就いている人は3,529人
2020年の国勢調査で、宮古島市の農業の就業者は3,529人でした。就業者全体の24,407人のうち、どの産業よりも多い数です。ただし年齢を見ると、65歳以上が1,921人と半数を超え、平均年齢は64.1歳です。
| 年齢 | 農業の就業者(宮古島市) |
|---|---|
| 15〜39歳 | 262人 |
| 40〜49歳 | 273人 |
| 50〜59歳 | 515人 |
| 60〜64歳 | 558人 |
| 65〜69歳 | 689人 |
| 70歳以上 | 1,232人 |
| 合計 | 3,529人 |
2020年農林業センサスでは、宮古島市の農業経営体は3,617でした。経営している耕地の広さで見ると、1〜3ha(100〜300a)が2,005と半数を超え、3ha以上は555です。
農林水産省がまとめた宮古島市の事例でも、農業従事者の高齢化と農業者数の減少が進み、新しく農業を始める人の育成と確保が急がれるとしています。宮古島の仕事全体の中での農業の位置は、宮古島の人は、どんな仕事をしているのかにまとめています。
未経験から農業を始める道
未経験から農業に就くには、大きく分けて、農業法人などに雇われて働く道と、研修を受けて自分で経営を始める道があります。どちらにも、国の支援があります。
| 制度 | 対象 | 内容 |
|---|---|---|
| 就農準備資金 | 研修を受けている49歳以下の人 | 研修期間中、月13.75万円(年間最大165万円)を最長2年間 |
| 経営開始資金 | 新しく農業を始めた49歳以下の人 | 経営が安定するまでの最大3年間、月13.75万円(年間165万円)。交付するのは市町村 |
| 雇用就農資金 | 50歳未満の就農希望者を新たに雇う農業法人など | 1人あたり年間最大60万円を最長4年間(雇う側に交付) |
雇用就農資金は、働く人ではなく、雇う側の農業法人などに交付される制度です。農業法人で働くことを考えるなら、こうした制度を使って研修の体制を整えている職場かどうかを聞いてみるとよいでしょう。募集の時期や要件は年度ごとに変わるので、申し込む年の公募要領で確かめてください。
宮古島市には、就農相談員がいます
宮古島市は、新しく農業を始める人を支えるために、令和4年度から就農相談員を置いています。就農する前の相談だけでなく、就農したあとも続けて支援する仕組みです。
- 相談/市の就農相談員が、就農の相談や、補助金などを使った準備を支援します
- 研修/県と連携して、新しく農業を始める人向けの講座を年6回ほど開いています。必要に応じて、熟練した農家のもとでの実務研修も行います
- 就農後/県・市・JA・指導農業士などのサポートチームが、技術の面で巡回指導をしています
農林水産省がまとめた事例では、令和4〜6年度の3年間で、就農相談はのべ164件、青年等就農計画の認定は9件、経営開始資金の交付は7件でした。相談先は、宮古島市役所 農林水産部 農政課です(電話 0980-79-7813)。
農業の仕事を選ぶ前に、確かめておきたいこと
- 雇われるのか、独立するのか/使える支援も、収入が立つまでの時間も変わります
- 農地をどう確保するか/独立するなら、農地の確保がいちばんの課題です。市の農業委員会や県の農業振興公社が相談先になります
- 水と天気/台風や干ばつの影響を受けやすい島です。作物ごとの水の確保や、台風の時期の働き方を聞いておきます
- 収入が安定するまでの生活費/就農準備資金や経営開始資金の対象になるかを、早めに相談します
- 住まい/島の外から来るなら、住まいの確保が先です(宮古島の家賃と生活費)
よくある質問
Q. 宮古島で、未経験から農業を始められますか?
始められます。宮古島市には就農相談員がいて、就農の前から就農後まで相談できます。県と連携した講座や、熟練農家のもとでの実務研修もあります。まずは宮古島市役所の農政課に相談してください。
Q. 新しく農業を始めるとき、お金の支援はありますか?
49歳以下の人には、研修中に年間最大165万円(最長2年間)を受け取れる就農準備資金と、就農後に年間165万円(最大3年間)を受け取れる経営開始資金があります。要件や募集の時期は年度ごとに変わります。
Q. 宮古島では、どんな農業が盛んですか?
さとうきびが中心で、宮古地区の生産量は310,264トン(令和5/6年期)です。ほかに、マンゴーなどの果樹、ゴーヤー・オクラ・とうがんなどの野菜、葉たばこ、肉用牛の繁殖が盛んです。
Q. 宮古島の農家は、高齢の人が多いのですか?
2020年の国勢調査では、宮古島市の農業の就業者3,529人のうち、65歳以上が1,921人と半数を超えています。平均年齢は64.1歳です。
Q. 農業法人で働くこともできますか?
できます。50歳未満の人を新たに雇う農業法人などには、国の雇用就農資金(1人あたり年間最大60万円、最長4年間)があります。この制度を使って研修の体制を整えている職場もあるので、応募先に聞いてみてください。
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出典
- 沖縄県宮古農林水産振興センター「宮古の農林水産業」令和6年度版(Ⅱ 農業の部)。農業経営体数は2020年農林業センサス
- 宮古島市「統計みやこじま」令和6年度版 表21(令和2年国勢調査)
- 農林水産省「就農準備資金・経営開始資金」のページ
- 農林水産省「雇用就農資金」令和8年度第2回募集の発表
- 農林水産省 サポート体制構築事業の取組事例「沖縄県宮古島市」
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