コック服姿の仲宗根さん(鉄板焼ステーキ集 宮古島 副店長)

愛知のホテルから、宮古島の鉄板の前へ

ゆるく働く島だと、思っていました。

仲宗根さん 株式会社セブンヒルズ宮古島(鉄板焼ステーキ集 宮古島) 副店長(鉄板焼ステーキ集 宮古島) Iターン

愛知のホテルで鉄板焼きをしていた人が、結婚を機に宮古島へ。島でゆるく働くイメージを持っていたら、来てみたら違いました。鉄板焼ステーキ集 宮古島の副店長、仲宗根さんに聞きました。

きっかけ

ゆくゆくは宮古島に、と思っていた

鉄板焼ステーキ集 宮古島が入るビル

仲宗根さんは、料理の専門学校を出ています。前の職場も、いまと同じ鉄板焼きでした。愛知のホテルで働いていたそうです。その頃から、頭の片隅にあったものがありました。

ゆくゆくは宮古島に行ってもいいかな、という気持ちです。そこへ、沖縄出身の方と結婚することになりました。専門学校のつながりもあって、いまの会社を知ります。鉄板焼きという、それまでやってきた仕事をそのまま続けられる場所でした。

「まあ、移住しちゃおうかみたいな感じで移住しました」

入社してよかったこと

やれるなら、どんどんやる方式

いちばん変わったのは、任され方でした。鉄板焼きは、お客さんの目の前で焼く仕事です。鉄板の前に立てるようになるまで、どれくらいかかるのか。それは店によってまるで違うのだといいます。

いまの職場は、こうでした。

「こっちはもう、やれるならどんどんやる方式なんで」

できるなら、どんどんやっていけ。そう言ってもらえる環境です。仲宗根さんは、それを「すごくいいシェフだな」という言い方で表現していました。任せてもらえることが、そのまま成長の機会になっています。

もうひとつ、暮らしのほうでも変わったことがあります。宮古島は狭い島なので、どこに行くにも近い。職場も、病院も、美容院も、車で5分か10分で着きます。

「仕事と生活の両立がしやすいかなと思いますよね」

とはいえ、最初からそう思えたわけではありませんでした。来たばかりのころは、過ごしにくかったそうです。友人がいないことはわかっていました。けれど、買い物が好きだったので、いつ何をしていいのかわからなくなってしまったといいます。

変わったのは、時間が経ってからでした。本を読んだり、運動をしたり。過ごし方が自然に移っていきます。

「目の前のものにとらわれなくていいのか、すごく過ごしやすいですね」

やりがいと大変なこと

仙台の人に、ひと言きいてみる

この仕事の面白さとして挙げたのは、お客さんとの会話でした。鉄板焼きは、お客さんのすぐ前に立ちます。しかも、来るのは全国各地からの人たちです。

行ったことのない土地の人が座ったときに、ひと言きいてみる。たとえば仙台の方に、あれが美味しいですよね、と。そうすると、その土地の食べ物の話が返ってきます。地域の特色まで話してくれる人もいます。

「それ、すごい面白いなあと思いますね。自分も料理に興味があるし」

島にいながら、全国の食の話が集まってくる。そういう場所でもあります。

少人数だから、気を配りやすい

大変なことを聞くと、特にない、という答えでした。

意外だったのは、その理由です。店が小規模であることを、仲宗根さんは利点として挙げました。人数が多いと、いろいろな人に気を使わなければいけません。団体行動が得意なほうではない、とも話していました。

少ない人数でずっと一緒にやっていると、その人の特性が見えてきます。こういうときはこうしてほしいんだろうな、ということもわかってきます。気を使うのが楽になる。人数の少ない職場ならではの言い方です。

「そういうのは、なんか、気を使いやすいですよね。たくさんいるより」

制度・福利厚生

3連休が取れるから、東京にも行ける

鉄板焼ステーキ集 宮古島の料理人たち

仲宗根さんには、島の外に持っていきたい楽しみがあります。アイドルが好きなのだそうです。離島に住むと、そういう予定は諦めることになりそうに思えます。けれど、そうでもありませんでした。

事前に伝えておけば、3連休ほどは取れる。だから東京にも行けます。もちろん、忙しいシーズンには遠慮しているそうです。そのあたりの加減は、自分で調整しています。

もうひとつ、仲宗根さんが挙げたのは学ぶ機会でした。数字のことや、店舗の経営に関することを勉強したい。そう上司に伝えたところ、少しずつ教えてもらえるようになりました。

「すごく実りのある時間だなと思ってます」

これから

1階の店を、任されるように

会社としては、これから店を増やしていく話があります。宮古島でも、いったん閉めていた3階の店をまた開ける予定だそうです。言えば、応えてもらえる。鉄板の前に立つことも、経営を学ぶことも、同じやり方で広がっていきました。

そうなれば、上司は忙しくなります。そのときに自分がやることを、仲宗根さんははっきり決めていました。1階の店を、なんとか。お客様に満足して帰っていただけるように。自分の肩書きの話ではなく、任される場所の話として答えるところに、この人の構えが出ています。

最後に

ゆるく働く島、だと思っていた

最後に、宮古島で働くことについて聞きました。ここでいちばん踏み込んだ話が出てきます。

仲宗根さん自身、来る前にはこんなイメージを持っていたそうです。宮古島は、ゆるく働くところ。プライベートと仕事の線が引けなくて、ずるずるいってしまうのではないか、と。

来てみたら、少なくともこの職場は違いました。高い価格帯の店です。敬語をきちんと使い、お客様への気遣いをする。そのぶん、気が引き締まります。そして、休むときはしっかり休む。ずるずる働くのではなく、締めるところと緩めるところが分かれている。それが仲宗根さんの感じている違いでした。

だから、こう続けます。やりたいことや目標がある人なら、ゆるいところより、こういう場所のほうがいいのではないか、と。では、どんな人なら入れるのでしょうか。そこは、意外なほど間口が広い答えでした。

人と話すのが苦手でなければ、飲食の経験がなくてもできる。練習は必要だけれど、できる仕事だ、と。実際、この店は未経験の人でも、やれるならどんどんやらせてくれます。

「同じ自分だけど、全然やったことないけど行ってもいいんかな、みたいな人は、全然もう、来ちゃって大丈夫だと思います」

自分がそうやって鉄板の前に立たせてもらった人の言葉なので、説得力があります。

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取材:2026年9月(内容は取材時点のものです)

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