宮古島で働くのに、車は要るのか。移住を考える人がよく迷うところです。宮古島市の交通の調査から通勤の実態を見たうえで、バスやタクシーの状況、職場の場所や職種による違い、面接で確かめておきたいことをまとめます。
この記事のポイント
- 宮古島市の調査では、通勤・通学で「自分で車を運転」する人は平良(ひらら。市役所や商店が集まる島の中心部)の市街地で69.0%、ほかの地域では8割を超えます
- 職場も住まいも平良の市街地なら、車がなくても通える場合があります
- 郊外や伊良部島(いらぶじま。宮古島と橋でつながる島)の職場は、車が前提です
- 介護やマリンなど、送迎が仕事に入る職種では運転免許が条件になります
- 市内の路線バスは4社が9路線、タクシーは15社・190台が運行しています
宮古島の通勤手段は、住む地域によって決まります

宮古島市が令和4年5月にまとめた「宮古島市総合都市交通体系調査業務 報告書」に、市民アンケートの結果が載っています。通勤・通学の交通手段について、報告書はこう書いています。
通勤・通学時の交通手段は、主に「自分で車を運転」の割合が高く、平良地区の市街地で69.0%、その他の全地域では8割を超えている。また、「家族などによる送迎」を合わせると、ほとんどの人が車を利用している。
地域別に見ると、割合はさらにはっきり分かれます。「自分で車を運転」と答えた人の割合は、次のとおりです。
地区 「自分で車を運転」の割合 平良地区の市街地 69.0% 平良地区の市街地周辺 86.1% 平良地区の郊外 81.8% 城辺地区 88.2% 下地地区 100.0% 上野地区 85.7% 伊良部地区 82.4% 通勤・通学時の交通手段。宮古島市「宮古島市総合都市交通体系調査業務 報告書」(令和4年5月)から作成 平良の市街地だけが7割を切っています。職場と住まいが市街地にあるかどうかが、車の要・不要を分ける最初の線になります。
免許を持っていない人は、1割弱です
同じ調査で、運転免許の保有状況も聞いています。「ある」が88.1%、「ない」が8.8%でした。年齢別に見ると、10代と70歳以上で「ない」割合が高くなっています。自家用車の所有については、こうなっています。
自家用車の所有 割合 自分専用の自家用車がある 74.9% 家族共用の自家用車がある 13.2% 持っていない 10.5% 宮古島市「宮古島市総合都市交通体系調査業務 報告書」(令和4年5月)から作成 車を持っていない人が1割ほどいます。働いている人に限った数字ではありませんが、車なしで暮らしている人が島にいることは確かです。
なお、この調査は令和3年9月から10月にかけて行われ、市内在住の15歳以上1,000人に送って295票が返ってきたものです。回収率は29.5%で、標本は大きくありません。目安として見てください。
市街地なら、歩いて通っている人もいます
取材でも、同じことが確かめられました。平良の西里通りという、島のメインストリートに面したホテルのレストランには、歩いて通える距離に住んでいるスタッフがいます。
そのホテルの案内によれば、徒歩3分のところにコンビニが、徒歩7分のところにスーパーがあります。職場と生活圏が重なっていれば、車がなくても日常が回る場所はあります。
郊外や離島の職場は、車が前提です
一方で、市街地から離れた職場もあります。統計で「自分で車を運転」が8割から10割になる地域です。
たとえば、城辺の、近くにコンビニもない場所にあるカフェ。島の最東端、保良地区のゴルフ場。宮古島本島と橋でつながる伊良部島の、介護施設やヴィラ。どれも、観光の中心である平良からは車でしばらく走ります。
こうした場所では、車がないと通勤そのものが成立しません。宮古島への移住を決めた人が、地元から車を持ってきた例もあります。
運転そのものが、仕事に入っている職種があります
通勤の話とは別に、運転が業務そのものに含まれる仕事があります。この場合、車を持っているかどうかより、運転免許があるかどうかが問われます。
介護がそのひとつです。介護施設の仕事には、利用者さんの送迎が含まれることがあります。伊良部島の介護施設で働き始めた人は、地図に頼らず送迎に出られるようにしているといいます。
送迎は、その地域の道と地名を覚える、いちばん早い機会でもあります。
マリンの仕事も同じです。1日は、機材を準備して、お客さんをバスでポイントまで送迎するところから始まります。海の上だけが職場ではありません。
宮古島のバスとタクシーは、どれくらいあるか
宮古島市の公式サイトによれば、市内の路線バスは4社が9路線を運行しています。宮古協栄バス、八千代バス、共和バス、中央交通です。平良と城辺・下地・上野・池間・伊良部をつなぐ路線のほか、宮古空港やみやこ下地島空港に向かう路線があります。
運行本数は、市のページには載っていません。利用を考えるなら、各社に直接確かめるのが確実です。タクシーは、先ほどの交通体系調査によれば、令和3年12月時点で市内15社・190台が運行しています。
市は、バスに関する2つの制度も案内しています。学生の通学定期券の費用を市が一部補助する制度と、運転免許を返納した人を対象にした各バス会社の運賃割引制度です。
通勤手当を出している会社もあります
車で通うことが前提になるぶん、手当を用意している会社もあります。伊良部島の介護事業所には、2km以上を対象にした通勤手当があります。
会社を選ぶときは、通勤手当の有無とその条件も見ておくと、実際に手元に残る金額が見えてきます。求人票には書かれていないことがあります。
島は狭い、という感覚もあります
車が要ることを、負担としてだけ受け取らない人もいます。島の外から移ってきた人からは、移動が近いという声を聞きました。宮古島は狭い島なので、どこに行くにも近い。職場も、病院も、美容院も、車で5分か10分で着きます。
車が必要であることと、移動に時間がかかることは、同じではありません。都市の通勤時間と比べると、むしろ短くなる人もいます。
結局、宮古島で働くのに車は要るのか
- 職場も住まいも平良の市街地なら、車なしで働いている人がいます。統計でも、市街地だけが「自分で車を運転」7割を切っています
- 職場が郊外や伊良部島なら、車は前提です。地域によっては通勤手段が10割近く車になります
- 介護やマリンなど、送迎が業務に含まれる仕事では、運転免許そのものが条件になります
- 通勤手当がある会社もあります。条件は会社ごとに違います
なお、島しごと図鑑のこれまでの取材では、運転免許を持たずに働いている方にはお会いしていません。いないという意味ではなく、取材で確かめられていないということです。確かめられたら、この記事に書き足します。
気になる会社があれば、職場の場所と、送迎の有無と、通勤手当。この3つを聞いてみてください。求人票に書かれていないことも多いので、見学や面接のときがいちばん聞きやすい機会です。
よくある質問
Q. 宮古島で働くのに、車は必要ですか?
職場と住まいの場所によります。宮古島市の調査では、通勤・通学で「自分で車を運転」する人は平良の市街地で69.0%、ほかの地域では8割を超えています。職場も住まいも平良の市街地なら、歩いて通っている人もいます。
Q. 宮古島にバスはありますか?
あります。宮古協栄バス、八千代バス、共和バス、中央交通の4社が9路線を運行しています。運行本数は市のページに載っていないため、使う路線の本数は各社に確かめてください。
Q. 宮古島のタクシーは、どれくらいありますか?
宮古島市の交通体系調査によれば、令和3年12月時点で市内15社・190台が運行しています。
Q. 運転免許がなくても、働ける仕事はありますか?
平良の市街地なら、車を持たずに暮らしている人もいます(市の調査では、自家用車を持っていない人が10.5%)。ただし、介護やマリンのように送迎が仕事に入る職種では、運転免許が条件になります。島しごと図鑑の取材では、免許を持たずに働いている人には、まだお会いしていません。
Q. 通勤手当は出ますか?
会社によります。距離で対象を決めて通勤手当を出している会社があります。求人票に書かれていないこともあるので、面接で確かめてください。
Q. 車無しで、宮古島に住めますか?
住む場所によります。宮古島市の調査では、自家用車を持っていない人は10.5%で、平良の市街地では通勤・通学で自分で車を運転する人が69.0%と、ほかの地域(8割超)より低くなっています。郊外や離島の職場は、車が前提になることが多いです。
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出典
- 宮古島市「宮古島市総合都市交通体系調査業務 報告書」(令和4年5月)/市民アンケートは令和3年9月22日〜10月2日実施、市内在住15歳以上1,000人を無作為抽出、有効回収295票・回収率29.5%
- 宮古島市「宮古島市内バス路線について」(市公式サイト)
- 島しごと図鑑の取材記事(職場の場所、送迎、通勤手当の例)
島しごと図鑑



