宮古島の給料は安い、とよく言われます。宮古島を含む沖縄県の最低賃金は、2026年12月2日から1,086円になります。この記事では、最低賃金の推移と、業種による時給の上がり方の違い、手当で変わる手取りを、働く側の目線でまとめます。
この記事のポイント
- 沖縄県の最低賃金は現在1,023円。2026年12月2日から1,086円(63円増)になります
- 最低賃金は都道府県ごとに決まるため、宮古島も沖縄県内のほかの地域と同じ金額です
- 8年で286円上がっています(平成29年の737円から令和7年の1,023円へ)
- 観光の仕事は時給が上がりやすく、暮らしを支える仕事は上がりにくい傾向があります
- 通勤手当や家族手当は最低賃金に含まれないため、同じ時給でも手取りは手当で変わります
宮古島の最低賃金は1,023円。12月2日から1,086円に

沖縄県の最低賃金は、現在時間額1,023円です。令和8年9月3日、沖縄地方最低賃金審議会が63円引き上げて1,086円にするのが適当だとする答申を出しました。引上げ率は6.16%です。その後、沖縄労働局長が9月24日に改正を決め、10月5日に官報で公示しました。効力発生日は令和8年12月2日です。
上がり続けているのは、今年だけのことではありません。平成29年からの推移を並べると、動きの大きさがわかります。
| 年度 | 時間額 | 前年からの引上げ額 |
|---|---|---|
| 平成29年 | 737円 | — |
| 平成30年 | 762円 | 25円 |
| 令和元年 | 790円 | 28円 |
| 令和2年 | 792円 | 2円 |
| 令和3年 | 820円 | 28円 |
| 令和4年 | 853円 | 33円 |
| 令和5年 | 896円 | 43円 |
| 令和6年 | 952円 | 56円 |
| 令和7年 | 1,023円 | 71円 |
| 令和8年(12月2日から) | 1,086円 | 63円 |
8年で286円上がっています。12月に1,086円になると、平成29年から349円の上昇です。最低賃金は、パート・アルバイトを含め、県内の事業場で働くすべての人に適用されます。
月給で働く場合は、月給を1か月の平均所定労働時間で割った額が、最低賃金を下回ってはいけません。たとえば平均所定労働時間が160時間なら、1,086円×160時間で、173,760円が月給の下限の目安になります。通勤手当などの手当や残業代は含めずに計算します。
宮古島の時給は、業種によって上がり方が違います
最低賃金は全業種に同じようにかかります。ただし、実際に支払われている時給の上がり方は、業種によって同じではありません。最低賃金すれすれで募集している仕事と、それより高く出せる仕事があるからです。
なかでも差が出やすいのが、観光の仕事と、島の暮らしを支える仕事です。観光業の時給はどんどん上がっていく一方で、自動車整備や建設、保育、農業、漁業、介護といった仕事は、時給を上げにくいといわれます。
理由は単純です。時給を上げるには単価を上げるしかありませんが、これらの仕事のお客さんは観光客ではなく、島に住んでいる人だからです。単価を上げれば、そのまま島の人の負担に跳ね返ります。
観光が伸びているのに、暮らしを支える仕事の給料が上がりにくい。この2つは別の話ではなく、つながった話です。
それでも、上げようとしている会社があります
上がりにくい業種のなかでも、手を打っている会社はあります。たとえば、先に人を増やして休みを人並みに取れる体制をつくり、コストが下がった分を給与に返していく、という順番で考える会社。転職して入る人の給与を、前の勤務先と同等以上にすると約束する会社もあります。
時給の数字だけでは、手取りはわかりません
ここが見落とされがちなところです。沖縄労働局の資料によれば、通勤手当、家族手当、精皆勤手当は、最低賃金には算入されません。時間外・休日・深夜労働の手当も同じです。
つまり、これらの手当は時給の額とは別に付きます。手当があるかどうかで、同じ時給でも手元に残る額は変わります。島の会社では、たとえば次のような手当や住まいが用意されています。
- 住宅手当/月1万円という例があります
- 社員寮/家賃を自分で払わずに済む、または軽くなる場合があります
- 島の外から移り住む人への手当/すでに島に住んでいる人は対象外、という決め方もあります
- 通勤手当/距離で対象を決めている会社があります
- 紹介手当/人を紹介したときに付く手当です
住まいを自分で借りるか、寮に入れるか。これだけで月数万円の差になります。時給を10円単位で比べていても、住宅手当が1万円あれば、月150時間働いたときの時給約67円分に相当します。
数字を公開している会社もあります
給与の額そのものを公開している会社は多くありません。ただし、働き方の数字を外に出している会社はあります。長く続けられる職場かどうかは、そちらのほうが読み取れます。
ホテルサザンコースト宮古島を運営する先嶋産業株式会社は、厚生労働省の「若者雇用促進総合サイト」に次の数字を登録しています(2026年9月29日更新)。
- 平均勤続年数/8.9年
- 月平均所定外労働時間(残業)/8.0時間
- 有給休暇の平均取得実績/10.9日
- 平均年齢/41.6歳
残業が月8時間なら、年間で約96時間です。残業代を含めた年収で比べるなら、この数字も一緒に見る必要があります。残業が多い職場は年収が増えますが、そのぶん時間を使っています。
給料について、面接で聞いておきたいこと
給料の話は切り出しにくいものですが、確かめておかないと入ってから困ります。面接で聞いても失礼にはあたりません。聞く価値があるのは、次の4つです。
- 手当は何が付くか/住宅、通勤、家族、資格など。通勤・家族・精皆勤の手当は、最低賃金とは別に付く分です
- 寮や社宅はあるか/家賃の負担が変われば、手取りの感覚も変わります
- 残業はどれくらいあるか/月8時間の職場と、月40時間の職場では意味が違います
- 昇給の決まり方/何年でどう上がるのか。実例を聞くのがいちばん確実です
「宮古島の給料は安い」と一括りにすると、見落とすものが多くなります。業種で違い、会社で違い、手当で変わります。気になる会社があれば、その会社の数字を聞いてみてください。
よくある質問
Q. 宮古島と那覇で、最低賃金は違いますか?
違いません。最低賃金は都道府県ごとに決まるので、宮古島も那覇も同じ金額です。2026年12月2日からは1,086円になります。
Q. 12月2日から、パートやアルバイトの時給も上がりますか?
最低賃金は、パート・アルバイトを含め、沖縄県内の事業場で働くすべての人に適用されます。12月2日以降は、1,086円を下回る時給で働かせることはできません。
Q. 通勤手当や家族手当は、時給に含まれますか?
最低賃金の計算には含まれません。通勤手当、家族手当、精皆勤手当、時間外・休日・深夜の割増賃金は、最低賃金に算入されない賃金です。
Q. 宮古島の給料は、本当に安いのですか?
一括りにはいえません。業種によって時給の上がり方が違い、手当や寮の有無で手元に残る額も変わります。気になる会社があれば、手当や残業の数字を面接で聞いてみるのが確実です。
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出典
- 沖縄労働局「令和8年度沖縄県最低賃金の改正答申について」(令和8年9月3日発表)。現行1,023円、改定後1,086円、効力発生日は令和8年12月2日(沖縄労働局「令和8年度沖縄県最低賃金は『時間額1,086円』」令和8年10月5日発表)。平成29年からの推移と、最低賃金に算入されない賃金の種類も同資料による
- 厚生労働省「若者雇用促進総合サイト」に先嶋産業株式会社が登録している企業情報(2026年9月29日更新)
- 島しごと図鑑の取材記事(給与の考え方、手当・寮の例)
島しごと図鑑


