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取材にこたえる與那原さん

空港の検疫探知犬から、島のレタス工場へ

生き物が相手、というところは同じでした。

與那原さん 野菜工場のスタッフ Uターン

【確認メモ|公開前に削除】
原本:EXA_與那原愛理さん2026.9(文字起こしのみ。記事情報シートなし)
要確認:
・お名前の表記。フォルダ名は「與那原愛理」、文字起こしでは「米原愛理」と聞こえます。本文は「與那原さん」としました
・会社名の正式表記(本文は「株式会社エクサ」)と、部署・肩書き
・サイトに「株式会社エクサ」の会社ページがないため、所属会社を設定できていません。会社の記事も作りますか
・前職の呼び方(本文は「空港の検疫探知犬のハンドラー」)。勤務地を「北九州や大分」と書いてよいか
・「みやこのしごとで見つけた」という話をそのまま書いてよいか。島しごと図鑑と同じ会社が運営しているサイトなので、気になるようでしたら「求人サイト」と書き換えます
・培地の呼び方(本文は「ココピート」「バガス」)と、現在の段階(ココピートで栽培中、バガスは今後の挑戦)が合っているか
・無人販売の場所と価格(1袋100円・不定期・規格外)
・8月の台風で3日間停電した年
・飼っている猫の年齢(原本では聞き取れず、本文では書いていません)
・業種は「農業・漁業」にしました。植物工場は別の分類にしますか
・取材日が原本にない
写真:42枚お預かりし、アイキャッチ1枚と本文6枚を入れました。すべて横写真です。
・防護服の写真は顔がほとんど見えないため、どれが與那原さんかを判断していません。ご本人以外が写っているものがあれば教えてください
・撮影場所・時期がわからないため、キャプションは付けていません。わかれば1行ずつ入れます
取材先の確認:未

空港で、海外から持ち込まれる肉や野菜を犬と一緒に探していた人が、いまは宮古島でレタスを育てています。相手が犬から植物に変わっても、本人のなかでは地続きでした。株式会社エクサの野菜工場で働く、與那原さんに聞きました。

きっかけ

「宮古島 仕事」で検索したら、出てきた

栽培庫の扉の前に立つ與那原さん

與那原さんは宮古島の出身です。高校を卒業して沖縄本島の動物系の専門学校へ進み、そこから検疫探知犬の仕事に就いて九州へ渡りました。北九州や大分で働いていたそうです。

「お肉とかお野菜が海外から入らないように、犬の鼻を使って探すという仕事です」

入国審査を終えて歩いてくる人のスーツケースや、ターンテーブルを回ってくる預け荷物を、ビーグル犬と一緒に嗅いでいく。テレビで見かけるあの光景です。かわいくても、仕事中はニコニコしてはいけないのだといいます。

その仕事を辞めて、次をどうしようと考えていたとき、宮古島で働くのもいいかもしれない、と思いました。

「宮古島 仕事、で検索したら、みやこのしごとが一番前にバンって出てきて。それを見ていたら、こんなのがあるんだ、と思って」

そこに載っていたのが、野菜工場の仕事でした。決め手は仕事の中身です。面白そうだ、と思ったそうです。

犬から植物へ。まったく違う仕事に見えますが、本人の受け止め方は違いました。

「どっちも生き物相手というか。人間相手じゃなくて、生き物に対する仕事っていうのは一緒かなって。自分のなかでは、そんなにめちゃくちゃ違うって感覚もないというか」

入社してよかったこと

なんでダメだったんだろう、を考える

育苗室で苗のトレイに手を伸ばすところ

入ってよかったことを聞くと、仕事そのものの面白さが返ってきました。

「いろいろ実験していく中で、ここはいいけど、ここはダメ。じゃあ、なんでダメだったんだろう、なんで良かったんだろうって考えて。じゃあこうしてみるか、って実験して。その繰り返しが、すごい楽しいです」

いま取り組んでいるのは、育てる土台をつくり替えることです。植物工場ではふつう、スポンジに種をまいて育てます。この工場はそれをやめました。

代わりに使っているのが、ココピートです。ココナッツの殻を砕いたものを培地にして、そこでレタスを育てています。

その先に見ているのが、バガス。さとうきびを絞ったあとに残る繊維です。同じことができるかどうかを、少しずつ試しているところだといいます。

暮らしも変わりました。宮古島に戻ってきてから、犬を飼い始めています。

「仕事でずっと犬と関わっていたので、自分の家で飼うって感じじゃなくて。ほぼ自分の犬みたいな感じだったので」

毎日そばにいる仕事の犬がいたから、自分の犬が欲しいと思ったことはなかった。いまの仕事に変わって、やっぱり動物と触れ合いたいと思ったそうです。犬の勉強をしてしまったぶん、気軽には飼えなくなっていて、最後は勢いで決めたと笑います。いまは犬が1匹、猫が2匹。猫のうち1匹は、進学で沖縄へ、就職で九州へ、そしてまた宮古島へと、ずっと一緒に移動してきた子です。

やりがいと大変なこと

バーッと見渡して、いっぱい生えてるな

びっしり並んだ苗のトレイ越しに作業する2人

與那原さんの仕事場は、工場のなかが中心です。大きな出来事が毎日あるわけではありません。やりがいはどこにあるのでしょうか。

「種をまいて、ちゃんと芽が出た。ちゃんと苗になった。どんどん大きくなっているとか。バーッと見渡して、いっぱい生えてるなとか。ちっちゃいやりがいを感じて」

もうひとつ、外とつながる瞬間があります。規格外の野菜を、不定期で無人販売に出しているのです。1袋100円。それを目当てに来てくれる人がいます。

「すごい美味しいよ、とかお声がけいただくと、お客さんがいるんだなって実感するというか。私、あんまり外に出ないので。ちゃんとお客さんに届いてるんだなっていう実感がありますね」

最近はすぐ売れてしまうそうです。

3日間の停電が、いちばん怖い

紫色のLEDの下でレタスを手入れするところ

大変なことを聞くと、まず培地の話が出てきました。うまくいかない苗があり、全然ダメな苗もある。培地もなかなか安定しない。

「もうちょっとこうやったら、もっとうまくいくかなって、めっちゃ考えてる途中です」

そしてもうひとつ、島ならではの心配があります。台風です。工場は全部が電気で動いているので、停電すると一気に止まります。

8月の台風で、3日ほど停電したことがありました。

「これ以上光を浴びれないと、この子たちちょっと大変だな、ってなりましたね」

光が当たらなければ光合成ができず、色が薄くなってしまいます。水を回すポンプも止まり、溜まっている水だけになります。空調も効かなくなるので、人のほうもこたえます。それでも3日間、持ちこたえました。

「停電は、ちょっと怖いですね」

制度・福利厚生

猫の調子が悪い日に、早く上がれる

制度の話を向けると、少し考えてから、休みのことを挙げてくれました。比較的取りやすいと感じているそうです。

そのうえで、いちばんありがたいと話したのは、制度と呼べるかどうかわからない、という前置きのついたことでした。

「犬猫を飼っていて、ちょっと調子が悪いとかっていう時に、今日早めに上がります、っていうのの理解がめっちゃあるっていうのがいいなって感じです」

制度として書かれていなくても、言い出せる空気があるかどうか。働く側にとっては、そこがいちばん効きます。

これから

宮古島は、野菜が少ないから

紫色の光の下で育つ赤いレタス

これからどうなりたいかを聞くと、少し迷ってから、工場のこととして答えてくれました。

「まずは安定して生産できるようになりたいですね」

その先にあるのは、島の食卓です。

「いま宮古島は野菜がかなり少ないみたいなので、こういう時に生産量が安定してればなあって、ちょっと悔しい感じですね。なので、早く安定生産ができるようになりたいですね」

自分がどうなりたいか、という問いに、工場がどうなってほしいかで答える人でした。

最後に

ずっと理科の実験をしているみたい

栽培庫の中で作業するところ

自分と同じように求人サイトで仕事を探している人に、どう声をかけますか。そう聞くと、思いがけない言葉が返ってきました。

「なんか、学校みたいなんですよ」

いまはホテルなどに商品を卸すようになり、仕事らしさは増しています。それでも、実験的な部分の手ざわりは変わりません。

「今日これをやって、ちょっとここがダメだったから、じゃあ次、明日はこっちをやってみよう、とか。それが楽しめる人だったら、すごい楽しい仕事だと思います。ずっと理科の実験をしているみたいな」

もうひとつ、自分の経験から思い当たることがあるそうです。

「ドッグトレーニング、訓練が好きな人は、多分楽しいと思います」

相手をよく見て、反応を確かめて、やり方を変えてみる。犬でも植物でも、していることは同じなのかもしれません。

「なんでこれ、こうなったんだろうって考えるのが好きな人は、楽しいと思います」

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